夏は冬に比べると湿度が高く乾燥肌になりにくいイメージの季節です。
が、それは半分は正解。
自然環境だけを見れば湿度は高いですが、生活環境を見るとどうでしょうか?
エアコンで室温を調節すると自然に湿度は下がってきます。
さらに紫外線ダメージや気温と室温の急激な温度差による肌の疲労、スキンケアの油断など乾燥肌の要素はいくつも潜んでいます。
夏でも乾燥肌の意外な落とし穴が多いのです。
この記事で夏の乾燥肌の原因と対策をチェックして肌にストレスフリーな夏を過ごしましょう!
湿気と湿度
湿気とは空気中に含まれる水蒸気(気体化した水分)
湿度とは、とある温度で空気中に含むことが可能なMAXの水分量(飽和水蒸気量)に対して、どのくらい水分があるかの割合をパーセンテージで表した数値です。
温度次第で飽和水蒸気量は変化し、温かいほどたくさんの水分を含むことが可能。
温度が上がると分母である飽和水蒸気量が増えるので、水分量が同じなら相対的に湿度は下がることから、湿度のことを相対湿度とも呼びます。
室温:20℃ 飽和水蒸気量:100 水分:50
50 / 100 * 100 = 湿度:50%
室温:25℃ 飽和水蒸気量:150 水分:50
50 / 150 * 100 = 湿度:33%
室温:25℃ 飽和水蒸気量:150 水分:100
100 / 150 * 100 = 湿度:66%
水分量は同じでも、温度変化で空気中のMAX水蒸気量が増えると湿度が下がる
つまり、水分量が一定で温度が上昇すると湿度は下がるということになります。
だったら高温の夏でも湿度は下がりそうにも見えますが、当然のことながら実際に空気中に含まれる水分量は季節や1日ごとにことなります。
冬の暖房で温められた部屋は空気中の水分量が一定という条件下で温度が上昇するので湿度は下がりますが、夏は冬よりも空気中の水分量が多いので、同じ「温かい」環境でも湿度はまったく異なってきます。
夏と冬の湿度の違い
直近2015~2017年でみると、夏(※1)の湿度は約80%、対して冬(※2)の湿度は50~60%
夏と冬では湿度が20~30%ほど差があり、夏の方が湿度は高くなります。
/ 気象庁「過去の気象データ検索」より
気象庁の用語定義によれば、湿った空気は湿度80%以上、乾いた空気は湿度50%未満とされています。
つまり、夏の空気は湿気が多く肌にとっては乾燥しにくい、冬の空気は湿気が少ないので肌が乾燥しがちというわけです。
肌が乾燥する理由
乾燥肌は肌の表面や内部から水分少なくなった状態。
角質層の水分が15%未満だと乾燥肌と言われています。
男性よりも女性に多く見られ、女性の肌の悩みとして知られる乾燥肌。
自覚し、悩み、原因や対策を調べるなど女性が高い関心を持っています。
どうして乾燥肌は起きるのか?
詳しくは乾燥肌の原因や対策について別の記事で取り上げているのでそちらをご覧ください。
夏の乾燥肌の原因
夏は湿気が多くて乾燥肌になりそうもない季節なのは確かなのですが、実はそうとも言い切れない側面も。
むしろ生活環境によっては乾燥肌になりやすい季節に様変わりしてしまう可能性があるのです。
- エアコンや扇風機による冷房
- 紫外線によるダメージ
- 汗のかきすぎによる水分蒸発
- カラダの洗いすぎで皮脂を過剰に除去
- 湿気の多いイメージで保湿ケアをサボる
エアコン
数十年前と現在の日本の夏はエアコンで室温をコントロールしなければ熱中症になる恐れがあります。
下手をすれば命に係わる事態にも。
夏を普通に過ごすにもエアコンで冷房を効かせることは当たり前になってきています。
さて、夏のエアコン冷房は室温を下げるのが目的です。
これは言い換えると、相対湿度が下がることを意味します。
湿度が下がれば乾燥しやすく肌の水分が蒸発するので、エアコンが夏の乾燥肌を引き起こすと言われているのです。
部屋の室温と外の気温の激しい温度差や冷風を浴び続ける環境も肌のダメージの一因になります。
エアコンだけでなく扇風機なども直截風を受けることで肌の水分が蒸発する可能性があることを覚えておきましょう。
そうはいっても猛暑の夏。
熱中症を避けるためにも冷房は必須。
肌のためにエアコンや扇風機の使用を避けるのではなく、十分な保湿ケアで肌の水分を保つことがベストな対策と言えます。
紫外線
紫外線自体は太陽光に含まれているので1年中降り注いでいます。
特に紫外線量が増加するのが夏
夏の紫外線による肌への影響は特に注意が必要です。
紫外線による肌ダメージは肌細胞やDNAまで傷つけることにもなりかねません。
夏の日差しに肌を露出する前に十分な日焼け対策が必須となります。
大量の汗をかく
太陽からの日差しはとても強く、真夏日(30~34℃)や猛暑日(35℃~)といった気温の夏
当然、汗をかく量も増えてきます。
汗をかくという事はカラダの水分が減るという事。
知らず知らずのうちに必要な水分量を満たせずに肌からも潤いが無くなる・・・ということが無いように注意が必要です。
洗いすぎ
夏は汗を大量にかきやすいので身体がベトベト・・・
汗と共に排出された老廃物で汚れた身体をキレイにするため、必要以上にボディソープや石鹸を使って洗いがちになります。
確かに清潔に気を使った行為に見えます。
しかし、ボディソープや石鹸などで1日に何度も洗いすぎてしまうと肌の健康維持に必要な皮脂や菌まで除去することになりかねません。
その結果、肌の持つ新陳代謝(ターンオーバー)やバリア機能が衰えて乾燥肌や肌荒れに繋がる危険性が考えられます。
何度も入浴やシャワーを浴びる場合は、ボディソープや石鹸の使用は1日1回ほどにして残りは水やお湯で汗や汚れを洗い流すだけにしましょう。
湿気が多いと保湿をサボりがち
冬のように空気が乾燥していると肌の保湿対策も十分に意識して行いますが、湿気が多い夏は意識が散漫になりやすいようです。
とあるアンケートでは、約30%もの女性が夏の保湿ケアをサボり気味と答えています。
湿気が多い分、肌の保湿ケアを行わなくても水分が維持できると考えてしまうのですね。
ところが、ここまで様々な夏の肌トラブルを見てわかる通り、湿気が多い夏だからといって肌が自然と守られるわけではありません。
むしろ猛暑でエアコンなしでは熱中症になりかねない現代では、冷房によって空気が乾燥しやすい室内環境に身を置く時間が増えています。
夏だからといって保湿をサボれば、それだけ肌も乾燥して荒れやすい状態に追い込まれていくのです。
夏も保湿ケアは必須です!
夏の保湿ケアのポイント
夏の乾燥肌を防いで美しく健康的な肌を保つための方法、そのポイントをまとめました。
基本的には夏だからと特別なことはせず、しっかりと保湿ケアを行うことが大切です。
洗いすぎない
正しいスキンケアで美肌を維持するには、洗顔剤で汚れを落とすことはとても重要です。
しかし、熱心に洗いすぎるのはマイナス効果になります。
肌を保湿するためには皮脂や常在菌が必要になるからです。
結果として肌バリアや保水力を失って水分が蒸発しやすくなり乾燥肌へと繋がってしまいます。
そうならないためにも、正しい洗顔のやり方で肌をケアしていく必要があります。
当サイトでは過去に洗顔方法や美肌菌、クレンジングなど色々なフェイスケアについて取り上げています。
この機会に正しい洗顔方法をチェックしちゃいましょう!
化粧水はたっぷりと
乾燥肌にはなんと言っても保湿が大切
つまり化粧水の使い方です。
化粧水はケチケチと節約せずに大量を使ってしっかりたっぷりと肌に水分を吸収させることが望ましいとされています。
高価なものほど様々な美容成分が含まれていますが、保湿という点で考えるなら価格よりも内容量で選んだほうが良いかもしれません。
化粧水のタイミングも重要です。
お風呂上りは水分が蒸発する前に化粧水をたっぷりと使って肌にうるおいを与えましょう。
おススメの化粧水を特集した過去記事があります。
化粧水とオールインワンで使えるタイプ、それぞれ人気と評判の高いもの厳選していますので化粧水選びで悩んでいる人は参考にしてください。
乳液&クリームは省かない
乳液やクリームは肌の水分や化粧水・美容液が蒸発しないように閉じ込めるフタの役割りがあります。
夏は湿度が高いという理由もありますが、乳液やクリームは油分がつかわれていることから、暑い時期はクリーム&乳液ケアをサボってしまう傾向があります。
夏の乾燥肌の原因との項目でもご紹介したとおり、夏はエアコンで室内が乾燥していることから水分が蒸発しやすくなっています。
つまり、夏だからと言って乳液やクリームによる保湿ケアをサボってよい理由はないのです。
肌トラブルに襲われないよう夏でもしっかりと乳液やクリームによる保湿ケアを行いましょう。
化粧水と同様、過去に当サイトではおススメの乳液とクリームも特集しています。
ネットの口コミ人気の高いものを選んでご紹介していますので、この機会にチェックしてみましょう。
蒸しタオル美容で保湿にプラスを
蒸したタオルで肌を温めるという美容方法
時折メディアで紹介される比較的メジャーなやり方です。
温めることで肌を柔らかくし毛穴を広げて汚れや古い角質をスッキリ除去
化粧水が肌に浸透しやすくなるので、乾燥肌に水分をたっぷりと吸収させることに繋がります。
とても簡単なやり方で出来るので乾燥肌に悩んでいる方には実践をおススメしたい美容法のひとつです。
【図解】蒸しタオル美容のやり方
※ヤケドには十分注意して行ってください。
- フェイスタオル(肌触りがよく柔らかい)、水、電子レンジを準備
- フェイスタオルをおしぼりのようにグルグル巻きにする
- 水で濡らして軽く絞る
- 耐熱皿にタオルを乗せてラップをかける
- 電子レンジで1分間(500~600W)加熱する
- ヤケドに注意してタオルを取り出す
- 温度のムラを無くしながら少しタオルを冷ます
- タオルが40℃ほどになったら顔に乗せて3~5分ほど蒸らす
蒸しタオル美容で使うフェイスタオルは細かく指定はないので、何を使っても問題ないようです。
が、わずかですが蒸しタオル美容を目的としたタオルが発売されているのでご紹介しましょう。
手持ちにちょうど良いタオルがない、もしくはフェイスケアなのでタオルにこだわりたいという人は一度チェックしてみると良いでしょう。