スキンケアについて調べていると、まれにpH値という言葉を目にしませんか?
頻繁ではないと思いますが、pH値が気になって調べると恐らく挫折するはず。
美容用語というわけではなく、どちらかといえば工業用語(化学の分野)なのでハッキリ言えば専門用語すぎて難しいのです。
『美肌、または健康に何かしらの影響があるけど意味がわからない・・・』というのはとても困ります。
そこで今回は、pH値が何なのかをわかりやすく解説。
そして美容・スキンケアや日常生活にどんな関わりや影響があるのかをまとめました。
pH値とは?
pHは水素イオン指数のことです。
読み方は「ピーエッチ」「ペーハー」。
Power of Hydrogenの頭文字で「pH」
水素のことを英語でHydrogenと言います。
物質を溶かした液体(水溶液)に含まれる水素イオン(H+)の濃度を表す数値で、水素イオンの量で酸性・中性・アルカリ性が変化します。
これがpH値です。
pH値の定義
上の図を見ればわかりますが、酸性・中性・アルカリ性はそれぞれ次のような数値で分類されます。
酸性 | ~3未満 |
弱酸性 | 3~6未満 |
中性 | 6~8未満 |
弱アルカリ性 | 8~11未満 |
アルカリ性 | 11~14未満 |
酸性・中性・アルカリ性をおさらい
小学校の理科の授業で習ったという記憶が残っている人も多い酸性・中性・アルカリ性。
リトマス試験紙と呼ばれる酸性とアルカリ性を判別する紙を使った実験が思い出されるでしょうか。
リトマス試験紙はリトマスゴケなど特定の種類の苔から採取した色素で作られた試験紙。
酸性の水溶液を濡らすと赤、アルカリ性だと青に変色する特性がある。
ここで少し酸性やアルカリ性の特徴をおさらいしておきましょう。
ただ学術的な話をしても仕方がないので、日常生活に関わる範囲での酸性・中性・アルカリ性について軽く触れることにします。
酸性
水素イオンの濃度が水酸化物イオンよりも濃い状態
日常生活
- 酸っぱいものが酸性であることが多い
- 便座など硬いものは酸性の洗剤で洗うことが多い
- 酸性の温泉はピーリング効果が期待できる
中性
酸性でもアルカリ性でもない状態
日常生活
- 水がpH7ほどの中性
- ミネラルウォーターが少しアルカリ性に傾く
- 肌にとっては荒れる可能性の低い安全な状態と言える
アルカリ性
水酸化物イオンの濃度が水素イオンよりも濃い状態
日常生活
- 苦いものがアルカリ性であることが多い
- 油汚れを落とす際に使われる
- 皮脂を分解して毛穴の汚れなどを落とすが、減り過ぎて乾燥肌になるリスクも
食品・生活用品のpH値
日常生活における身近なモノでpH値を見てみましょう。
酸性
トイレ用洗剤 / レモン / コーラ / 酢 / みかん / ビール / しょうゆ
中性
水道水 / ミネラルウォーター
アルカリ性
せっけん / 洗濯洗剤 / 油汚れ用洗剤
洗浄剤系はアルカリ性、食品・食材は酸性が多いことがわかります。
pH値じゃ食品は分けられない???
ただし、ここで面倒なのが食品。
食品は酸性食品やアルカリ性食品という分類も行われます。
しかし、例えばpH値が酸性だからといって酸性食品に分類されるわけではないのです。
酸性食品・アルカリ性食品は、体内に摂取した際に変化で判断が行われます。
ひとつの例が梅干し。
梅干しは酸っぱいので酸性ですが、食品としてはアルカリ性食品になります。
ということで、上記のpH値のグラフとは別に、酸性食品・アルカリ性食品の分類をまとめました。
酸性食品
肉類(牛肉・豚肉・鶏肉など) / 卵(卵黄) / 乳製品(チーズ・バター) / 魚介類(まぐろ・イワシ・牡蠣・カニ・海老) / 煮干し / 乾燥海苔 / 豆類(落花生・ソラマメなど) / 穀物 / 白米 / 玄米 / そば粉 / パン / うどん / アルコール(ビール・日本酒) / 砂糖 / マヨネーズ / サラダ油 / べに花油 / 練りもの / アイスクリーム / 駄菓子 / 洋菓子 / 和菓子 / その他、加工食品など
アルカリ性食品
卵(卵白) / 牛乳 / 海藻類 / 小魚 / 昆布 / ひじき / キノコ類 / 豆類(大豆・小豆・豆乳など) / 果物 / アルコール(ワイン) / 漬物 / 黒ゴマ / ニンジン / かぼちゃ / トマト / ネギ / 玉ねぎ / ちんげん菜 / 小松菜 / ほうれんそう / わかめ / 大根 / キャベツ / じゃがいも / なす / きゅうり / ブロッコリー / 根菜類 / 山芋 / その他、緑黄色野菜など
ph値と肌と温泉
健康志向が高い人は食品のpH値や食品分類を気にします。
そして美容思考の高い人はpH値が肌に与える影響を気にするのです。
肌に影響を与える水溶液、それが温泉です。
温泉は様々な美容や健康に関する成分が含まれているのでpH値だけが絶対ではありません。
しかしそのpH値、つまり酸性の温泉なのかアルカリ性の温泉なのかは肌にとってはとても重要です。
温泉が酸性なら古い角質をはぎ取るピーリング効果が期待でき、アルカリ性なら皮脂など肌の汚れを落とす天然の石鹸のような効果が期待できるのです。
別の記事で全国の温泉をpH値で一覧&ランキングにしています。
美肌と酸性・アルカリ性の温泉に関する情報はそちらもご覧ください。