テレビで紹介されて話題になったやせ酸
文字通り痩せるための細菌や脂肪酸なのですが、健康番組で「楽に痩せられる」というフレーズと検証結果が紹介されることから注目を集めています。
改めて調べてみると専門的な言葉が列挙されており、結局やせ酸がどんなものなのか理解するのが難しいようです。
- やせ酸を初めて知った
- テレビを見逃した
という人に向けて今回はやせ酸について理解しやすいように整理してみました。
やせ酸って何?
やせ酸とは短鎖脂肪酸と呼ばれる物質のことを指しています。
いきなり難しい漢字が並んでいるので心が折れそうですが、これは脂肪の種類のひとつ。
脂肪酸は、炭素(カーボン)という物質が鎖のように繋がって出来ており、この鎖の長さが炭素6つ以下の脂肪酸を短鎖脂肪酸と呼んでいるそうです。
短鎖脂肪酸というものがある
という認識だけでも良いと思います。
やせ酸で痩せる理由とは?
この短鎖脂肪酸がやせ酸と呼ばれているのは、その働きにあります。
こちらの方が重要です。
- 腸を活発にする
- 代謝をアップする
- 脂肪の吸収を抑制する
この3つ以外にも短鎖脂肪酸の働きはあるようですが、やせ酸として取り上げられる場合はこのような感じです。
では、この3つについてもう少しだけ詳しく見てみましょう。
腸の活動を活性化
やせ酸には大腸の粘膜を刺激することで腸の動きを活発にする働きがあります。
難しく言えば、蠕動(ぜんどう)運動を促す働きのこと。
要するに、大腸が便の排出を促すことで便秘の解消に繋がります。
代謝をアップ&吸収を抑制
短鎖脂肪酸には、GPR43(短鎖脂肪酸受容体)と呼ばれる構造を活性化する働きがあります。
GPR43は脂肪細胞がブドウ糖や脂肪酸を吸収・蓄積を抑制し肥大化を防ぎ、脂肪細胞以外の組織で糖質や脂質の代謝を促進することに繋がります。
・・・。
さっぱり意味がわかりませんね。
簡単に言えば
短鎖脂肪酸は脂肪が増えにくく代謝アップで痩せやすいカラダづくりに繋がる可能性がある
ということが研究論文などで触れられているのです。
おおまかに流れを図で表すと上のような感じです。
やせ酸の増やし方
以上、やせ酸こと短鎖脂肪酸の働きをご紹介しました。
調べるとかなり専門的な資料が多く読み解くのが難しいですが、大腸が活発になって太りにくく痩せやすいカラダになるかもしれない働きがある、ということになります。
さて、働きが分かったところで肝心の短鎖脂肪酸の増やし方です。
テレビの健康番組で取り上げられて話題となった方法は、たまねぎヨーグルトです。
短鎖脂肪酸は、大腸の細菌(やせ菌とも呼ばれる)が食物繊維をエサにして作り出します。
しかし、食物繊維は分解されずに小腸を通り抜けて大腸に辿り着くのです。
大腸に辿り着いた食物繊維は
- 大腸を活性化
- 排便を促す
- 善玉菌のエサになる
といった働きがあるので、食物繊維=便秘に良いとされています。
たまねぎにはイヌリンという食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と水に溶けにくい不溶性が存在していますが、イヌリンは水溶性食物繊維です。
※たまねぎとイヌリンについては別記事も参照してください
腸内細菌のひとつビフィズス菌はイヌリンを好んでエサとするため、ヨーグルトとたまねぎを合わせて食べれば効果的に腸内細菌(やせ菌)が増えるのです。
先にも書いた通り、短鎖脂肪酸は大腸の細菌(やせ菌)が食物繊維をエサにして作り出すもの。
このような理由で、たまねぎヨーグルトが短鎖脂肪酸を増やすためにおススメされています。
たまねぎヨーグルトの作り方
では作り方です。
- たまねぎ
- 1/2個(100g)
- 無糖ヨーグルト
- 200g
- 塩
- 小さじ1/2
- たまねぎを薄くスライス
- 30分ほど寝かせる
- たまねぎにヨーグルトと塩を入れて混ぜる
これで完成ですが、冷蔵庫で一晩置くとたまねぎがしんなりとして食べやすくなります。
さらに、たまねぎヨーグルトに納豆を加えることで、やせ酸を増加させるという裏技も存在しています。
納豆に含まれるムチン(※)と呼ばれているネバネバ成分にも短鎖脂肪酸を生み出す働きがあるため、たまねぎヨーグルトを加えることで、より効果的にやせ酸を増やせるそうです。
※複数結合したグルタミン酸に糖が結合したもの。動物由来のムチンとは異なる。
どれくらい痩せるの?
個人差もあるようですが
体重-4.1kg、お腹周り-7.7cm
という事例が紹介されていました。
手間という意味では非常に簡単に行えるので、新しいダイエットを試したい方や最近太ってきたという方はチャレンジするのも良いかもしれません。
ただし、味は過剰に期待しないことをおススメします。