イチジクと言えば美容に良い成分が豊富に含まれた女性のためのフルーツ
こんなイメージが強いでしょう。
そもそも男性がイチジクを食べる姿は想像しにくい、そんなフルーツです。
旧約聖書に出てくるアダムとイブが知恵の実を食べて全裸を恥ずかしいと認識した、という話にもイチジクが登場してくると言われているので、どことなく女性&性的なイメージに結びつきやすいのかもしれません。
もちろんイメージだけではなく、イチジクに含まれている成分には美肌や美白、ダイエット、お通じの促進といった女性にとって嬉しい働きを持っているというのも理由のひとつです。
イチジクとはどんなフルーツ?
イチジクはクワ科イチジク属の植物で、主に果実を指します。
旬は晩夏から秋頃。
漢字では「無花果」、英語では「fig」とそれぞれ表記。
世界最古のフルーツと呼ばれており、旧約聖書の「創世記」にもイチジクが登場。
エジプトでは紀元前から栽培されていたと言われており、それだけ歴史の古いフルーツなのです。
世界的に見ると主要な産地はエジプトやトルコ、イランなど。
国内では愛知県が日本一の生産量を誇っています。
「無花果」と表記するため花を咲かせない植物と思われがちですが、イチジクの花は果実の中に咲くため外からは見えないという一般的な植物とは異なった特性を持っています。
食品としての流通がメジャーで、生のまま、もしくはドライフルーツで食べられます。
イチジクが持つ栄養一覧
生のイチジクと乾燥したイチジク、それぞれの100mg辺りの主要な栄養成分は次の通り。
生のイチジク
生イチジクはカロリーが低めで水分を多く含んでいます。
乾燥イチジクに比べると全般的な栄養価は劣っていますが、「美容のビタミン」と呼ばれるビタミンCが存在しているのが大きなメリットです。
- カロリー
- 54kcal
- 水分
- 84.6g
- たんぱく質
- 0.6g
- 脂質
- 0.1g
- 炭水化物
- 14.3g
- 食物繊維
- 1.9g
- 水溶性食物繊維
- 0.7g
- 不溶性食物繊維
- 1.2g
- ナトリウム
- 2mg
- カリウム
- 170mg
- カルシウム
- 26mg
- マグネシウム
- 14mg
- リン
- 16mg
- 鉄
- 0.3mg
- 亜鉛
- 0.2mg
- マンガン
- 0.08mg
- βカロテン
- 18㎍
- ビタミンB1
- 0.03mg
- ビタミンB2
- 0.03mg
- ビタミンB6
- 0.07mg
- 葉酸
- 22㎍
- ビタミンC
- 2mg
乾燥イチジク
生よりも糖が多くカロリーが高くなった乾燥したイチジク。
全般的に栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。
摂取量に気を付ければバランスよく栄養が補給できる優秀な食品と言えます。
- カロリー
- 291kcal
- 水分
- 18.0g
- たんぱく質
- 3.0g
- 脂質
- 1.1g
- 炭水化物
- 75.3g
- 食物繊維
- 10.7g
- 水溶性食物繊維
- 3.4g
- 不溶性食物繊維
- 7.3g
- ナトリウム
- 93mg
- カリウム
- 840mg
- カルシウム
- 190mg
- マグネシウム
- 67mg
- リン
- 75mg
- 鉄
- 1.7mg
- 亜鉛
- 0.6mg
- マンガン
- 0.48mg
- βカロテン
- 46㎍
- ビタミンB1
- 0.10mg
- ビタミンB2
- 0.06mg
- ビタミンB6
- 0.23mg
- 葉酸
- 10㎍
- ビタミンC
- –
イチジクの美容効果
イチジクが美容のフルーツというイメージが強いのは、その成分と効能のためでしょう。
ダイエットに適したアルカリ性フルーツ
イチジクはアルカリ性に分類される食品。
野菜や果物、海藻などがアルカリ性食品に該当します。
近年、海外セレブを中心に「酸性2:アルカリ性8」の割合で摂取するアルカリ性ダイエットが流行しています。
これは摂取する食品を弱アルカリ性の状態にしておくと腸が活性化しダイエット効果が得られるというものです。
イチジクも、このアルカリ性ダイエットの食品候補として適していると言えます。
アルカリ性ダイエットについて、詳しくは別記事で取り上げているのでそちらをご覧ください。
美白肌~エラグ酸がメラニンを抑制~
イチジクには、エラグ酸と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれています。
肌は紫外線などの外からの刺激を受けると細胞内のメラノサイト内でチロシナーゼが活性化しメラニンが生成されます。
メラニンは色素で肌細胞に沈着すると、シミとして残ってしまうのです。
エラグ酸はチロシナーゼの活動を妨害して肌のシミの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあることから美白に有効な成分と言われています。
ポリフェノールの抗酸化パワー
イチジクに含まれるアントシアニンやクロロゲン酸、エラグ酸などのポリフェノールやカロテノイドに属するルテインには抗酸化作用が見られます。
抗酸化は抗老化と言い換えることができる現象です。
老化は体内の活性酸素がカラダを酸化させることで進行していくと言われています。
ポリフェノールなどに見られる抗酸化作用はこの活性酸素を除去し老化を遅らせることで、肌のシミやシワ、エイジングサインなどの年齢による肌の悩みを和らげてくれる可能性が秘められているのです。
もちろん、イチジクには肌の健康を守るためのビタミンB群やビタミンCもバランスよく含まれているのでポリフェノールの抗酸化パワーと合わせて美肌へと導いてくれます。
ペクチン&フィシンでお腹スッキリ
フィシンはイチジクに含まれる「たんぱく質分解酵素」。
文字通り、たんぱく質を分解する働きを持った酵素で胃の中で食べ物の消化を助け、負担を軽くしてくれます。
そしてペクチンは食物繊維の一種。
リンゴやミカンなどの柑橘類に多く含まれている成分。
食物繊維なので水溶性と不溶性が存在します。
イチジクの食物繊維は不溶性が多めです。
ペクチンにはコレステロール値の低減や血糖値の急激な上昇を抑えるダイエットに繋がる働きがあります。
食物繊維なので、腸の善玉菌を増殖したり、腸の活動を活性化して便意を促すといった整腸効果も期待できます。