玄米とは胚芽や表皮が残った状態の米を指します。
玄米を精米すると白米になる、白米になる前の状態の米です。
白米に比べて全般的に栄養価が高く、健康志向の高まった現在はヘルシーフードの代表食品として扱われています。
特にビタミンやミネラル、食物繊維といった美容に対して有効な成分が多いので女性を中心に玄米が食べられているようです。
今回は玄米の美容に対する働きについて含まれる成分を中心にご紹介します。
玄米の栄養成分
玄米100gあたりの主要な栄養成分は次の通りです。
- カロリー
- 164kcal
- たんぱく質
- 4.1g
- 脂質
- 1.0g
- 炭水化物
- 34.3g
- 不溶性食物繊維
- 1.2g
- 水溶性食物繊維
- 0.2g
- カリウム
- 95mg
- カルシウム
- 7mg
- 鉄
- 0.6mg
- マグネシウム
- 49mg
- マンガン
- 0.77mg
- 亜鉛
- 0.8mg
- ビタミンB1
- 0.16mg
- ビタミンB2
- 0.02mg
- ナイアシン
- 2.9mg
- ビタミンB6
- 0.21mg
- 葉酸
- 10㎍
- パントテン酸
- 0.65mg
カロリーは160kcalほどで白米との違いはありません。
白米に比べて栄養価が高く、食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。
玄米が男性に比べて女性に支持されやすいのは、これらの栄養素に理由があるようです。
もう少し詳しく玄米の美容効果を見てみましょう。
糖の吸収を緩やかに
玄米が女性に好まれる理由のひとつは、そのダイエット効果の可能性にあります。
玄米は白米に比べて糖の吸収が緩やかになります。
GI値で見ても白米82.5:玄米58.7。
GI値は55を中央値として、高ければ血糖値の上昇が急激になり、低ければ血糖値の上昇も穏やかになるという指標です。
血糖値が急激に上昇すると糖の吸収効率が上がって脂肪になりやすいと言われています。
つまり太りやすいということになります。
GI値に関する詳細は別記事で取り上げているのでそちらをご覧ください。
白米を否定するわけではありません。
ただ白米と比べると玄米の方が太りにくい食品だということは数値の上でも間違いないでしょう。
食物繊維で腸をスッキリ
白米の5倍近い食物繊維を含んでいる玄米。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と水に溶けにくい不溶性のふたつがありますが、玄米の多くは不溶性食物繊維です。
不溶性は腸を活性化する働きがあることから、便意を促す作用があるとされています。
便秘に悩む女性は積極的に食物繊維を摂取することが望まれます。
もちろん女性だけではありません。
そもそも現代人の食生活は慢性的に食物繊維が不足しがちです。
食物繊維には便秘解消のほかにも生活習慣病の予防や心疾患による死亡のリスク低下もあるとされています。
「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」では、男性20g以上、女性18g以上の食物繊維摂取が推奨されていますが、これでも足りないという見方もあります。
食物繊維は摂取しすぎて健康を害するという話は聞かれず、意識しないと直ぐに不足してしまいます。
食卓の主食として活用できる玄米は食物繊維不足の解消にピッタリの食材なのです。
ビタミン&ミネラルで肌を美しく
ビタミンやミネラルといった栄養は主に野菜や果物から摂取するイメージが強いかもしれません。
しかし玄米には肌やアンチエイジングなどに有効とされるビタミン・ミネラルが白米に比べて多く含まれています。
ビタミンB1・B2・B6・ナイアシン(ビタミンB群)は肌や粘膜を健やかに維持するために使われます。
不足すれば炎症から肌荒れを引き起こす可能性があるので美肌にとって重要なビタミンです。
糖質やタンパク質、脂質からエネルギーを作る際にも必要とされるのでダイエットの側面でも必要なビタミンと言えます。
貧血回避に必要な鉄&葉酸
玄米には血液を作る際に重要視されている葉酸と呼ばれるビタミンBの一種とミネラルである鉄が含まれています。
葉酸は細胞を生み出す際に重要な役割を果たしている為、妊娠中や授乳期の女性には特に重要なビタミンとされています。
血液を作る際にも使われるため、造血のビタミンとも呼ばれています。
不足すると貧血の原因となる可能性を含んでいます。
鉄はご存知の通り赤血球を作るために必要なミネラル。
赤血球を構成するヘモグロビンの成分で、ヘモグロビンには酸素を運ぶ働きがあります。
葉酸と同様に鉄も不足すれば貧血を引き起こす可能性があるのです。
カリウムで「むくみ」対策
玄米に含まれるカリウムには、体内のナトリウムと水分のバランスを整える働きがあります。
女性の悩みに多い「むくみ」は、塩分(ナトリウム)の過剰摂取により体内の塩分濃度を下げるために水分を取り込むことで起こります。
カリウムが水分とナトリウムのバランスを整えることで余分な塩分と水分を体外に排出、むくみの解消へと繋がります。
玄米の上手なとり入れ方
玄米には様々な美容への効能があることはここまでにご紹介した通りです。
では、具体的にどのように生活に玄米を取り入れることが出来るのでしょう?
その方法をご紹介します。
玄米茶
玄米茶は、番茶と炒った玄米を混ぜたお茶のことです。
ペットボトルやティーパックなど製品化されており手軽に摂取できる反面で、玄米ご飯のように直接玄米を食べるわけでは無いので栄養面ではかなり劣ります。
カロリーは無いので玄米を摂取する目的よりはダイエット目的で甘味飲料からノンカロリードリンクに置き換える際の候補のひとつくらいに捉えておくと良いでしょう。
玄米の摂取による効果効能を求めるなら玄米を炊いて食べる方が圧倒的におススメです。
玄米ご飯
最もオーソドックスな方法は玄米を白米と同様に炊き上げることです。
玄米は白米と同じように炊飯するとボソボソとした食感になって美味しくないので圧力釜で炊くとふっくら美味しい玄米ご飯に仕上がります。
とはいっても、現在の炊飯器には玄米を美味しく炊き上げる機能が付いています。
玄米は消化吸収も良くないとされていますが、近年は酵素玄米が登場。
酵素玄米とは玄米に小豆と塩を加えて圧力をかけて炊き熟成させたもので、通常の玄米ご飯より消化や吸収が優れていることから注目を集めています。
酵素玄米を炊き上げる専用の炊飯ジャーも発売されているので、本格的に玄米を生活に取り入れようと考えているのであればおススメです。