とある化粧品メーカーの調査だと、スキンケアで重視するのは肌のハリ・弾力という結果が出たと言います。
もちろんこれは調査対象の年齢にもよりますが、ハリが気になり始めるのは30代中盤頃からでしょうか。
ハリが気になる、というのは肌からハリが無くなってきているという実感が出てきたということ。
同時にシワやたるみ、ほうれい線の存在も気になっているはずです。
肌のハリ・シワ・たるみが目立つ原因のひとつとして考えられるのが肌の奥に存在するエラスチンという物質の減少。
コラーゲンやヒアルロン酸と共に肌のハリ・弾力のポイントとなる重要な存在と言えます。
この記事では
- エラスチンが肌に対してどんな働きがあるのか
- 減少するエラスチンを増加・維持するために出来ること
をご紹介しています。
エラスチンとは何か?
エラスチンはタンパク質の一種。
真皮や血管の大動脈、肺、じん帯など様々な場所にコラーゲンを束ねるような形で存在しています。
弾力があり弾性繊維とも呼ばれる組織を構成する主成分でもちもちとしたハリのある美肌を作る大切な要素です。
800以上のアミノ酸で構成されていてグリシンを始めプロリン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンなどが特に多く含まれているのが特徴です。
弾力を持つ繊維でカラダの様々な部分に存在。
主にエラスチンとフィブリリンという2つのタンパク質で構成される。
エラスチン=弾性繊維と呼ぶこともある。
分かりやすく例えるなら・・・
イメージしやすい例えをするなら、ベッドのマットとスプリングのような関係。
- 柔らかくベッドを形づくる&反発力は弱いマットレス
- 縁の下の力持ちとしてベッドに弾力を与えるスプリング
ベッドに例えるとエラスチンの重要性がイメージできるでしょうか?
肌をモチモチとした弾力のあるものにするには、エラスチンの存在が欠かせないのです。
どんな役割がある?
エラスチンは肌や血管など、伸びたり縮んだりという伸縮性・弾力性が必要な場所に多く存在します。
まさに弾力・伸縮を与えることが役割りなのです。
さらに最近は、細胞の増殖や機能の調整にも関わりがあることがわかっており広い分野への応用が期待されています。
肌への効果効能
エラスチンは弾力性や伸縮性が特徴。
肌のハリやモチモチとした柔らかさの大きな要素のひとつです。
ハリがあってシワやたるみ、ほうれい線の目立たない肌というのは、伸ばす・戻るチカラが強い肌ということになります。
ゴムをイメージすると分かりやすいと思います。
ゴムも何度も引っ張り続けると伸びきって元の長さに戻らなくなることがあります。
肌も同じです。
エラスチンが減少すると皮膚の伸び縮みが悪くなるので、肌からハリや若々しさが消えてシワやたるみ、ほうれい線が目立つようになってきます。
エラスチンが減る理由
エラスチンが減ると肌にはシワやたるみが目立ちます。
減らないで肌に残ってくれる方が良いのですが、残念ながらエラスチンは減少してしまうのです。
エラスチンが減る理由としては主に次のようなものが挙げられます。
加齢で線維芽細胞が衰える
線維芽細胞はコラーゲンやエラスチンを生み出す細胞。
最近の研究では、線維芽細胞を刺激することでコラーゲンやエラスチンを増やせる可能性が見出されています。
カラダの多くの成分は使い捨て。
古いものは捨てて新しいものに入れ替わります。
エラスチンも同じように線維芽細胞で作られて減少した分を体内で補っています。
逆に言えば年齢を重ねると線維芽細胞のチカラが衰えてコラーゲンやエラスチンの量が減ってしまうわけです。
紫外線「UV-A」によるダメージ
紫外線を浴びるとエラスチンが変質して光老化を起こすと言われています。
肌に影響を及ぼす紫外線として「UV-A」と「UV-B」が挙げられます。
この2つは波長が違うのですが
- 「UV-A」は肌の奥まで届く
- 「UV-B」は肌の表面に影響する
という特徴が見られます。
日焼けやシミ・そばかすなどを作りやすく、紫外線対策として注目されるのは「UV-B」。
しかし「UV-A」は肌の奥、つまり真皮まで届くためエラスチンを減少させる原因となってしまうのです。
紫外線と肌について詳しく知りたい方は別の記事で取り上げているのでそちらもご覧ください。
皮ふエラスターゼ
最近の研究で明らかにされつつあるのが、皮ふエラスターゼという酵素の存在。
この酵素には真皮のエラスチンを分解してしまう働きがあり、加齢や紫外線ダメージによってその作用が強くなると言われています。
その結果、肌のエラスチン量が減少してシワやたるみに繋がることが考えられます。
皮ふエラスターゼの働きを阻害することがシワ改善に繋がるかもしれない、ということで研究が進められる「ショウキョウエキス」にその可能性が見出されているのです。
生姜のこと。
漢方では生姜(ショウキョウ)と呼ばれる。
ショウキョウエキスは、生姜から抽出した液体成分。
エラスチンを増やすには?
肌のシワやたるみの原因となるエラスチン減少。
これはとても気になるでしょう。
こうなると知りたいのはエラスチンを増やす、もしくは維持する方法です。
考えられる方法を1つずつ見てみましょう。
補う
食べ物で補給
足りなければ食べて補えば良い、というのがシンプルな考え方。
エラスチンはコラーゲンと同様に牛すじや手羽先、軟骨な関節や骨の食材に多く含まれています。
しかし、それらを食べたからといってエラスチンを直接カラダに摂取できるわけではありません。
食べたエラスチンはアミノ酸に分解されるので『手羽先を食べたのにエラスチン効果を感じない!』ではなく、あくまでカラダを作る材料のひとつが取り入れられると考えるべきです。
サプリメントで補給
サプリメントは食事で補いにくい栄養を手軽に補給できるメリットがあります。
もちろん食べ物で補給する場合と同じように、食べたエラスチンがそのまま取り入れられるわけではありませんので注意しましょう。
[[[サプリメントの紹介ページへ]]]防ぐ
紫外線を防ぐ
エラスチン減少の大きな原因となる紫外線ダメージ。
つまり紫外線対策をしっかりしていればエラスチン減少を予防できる可能性がグッと高まります。
紫外線対策の方法はこれまでにたくさん取り上げているのでそちらをご覧ください。
アンチエイジング
老化もエラスチン減少にとっては大きな原因となります。
老化を食い止めること自体は不可能ですが、老化を少しでも緩やかに遅らせていくことは可能です。
それがアンチエイジング、またはエイジングケアと呼ばれる方法です。
老化の原因となる酸化を阻害する抗酸化作用を利用するのが基本的なエイジングケアの在り方です。
詳しくは別の記事で取り上げているのでそちらをご覧ください。
化粧品・シャンプーを使う
最近はエラスチンを配合した化粧品やシャンプーが発売されています。
『これを使えばエラスチンを補給できるのでは?』と思いがちですが、そうではありません。
これはコラーゲン配合やヒアルロン酸配合のコスメと同様に保湿成分としてのエラスチン配合が中心です。
だからといって使う意味がないわけではありません。
肌を保湿することは、ターンオーバーの正常化、アンチエイジングなど美肌づくりに大きく繋がります。