女性に多い「便秘」「ポッコリお腹」などのお通じに関する悩み
この手の問題は、腸内環境にその原因があるとされています。
この悩みを解消するために様々な方法が提唱されており、関連する商品も無数に存在しています。
例えば・・・
- 食物繊維をいっぱい採ろう
- サプリメントでスッキリ
- お茶でポッコリお腹を解消
これらの方法が実際に効果的なのか否か、常に議論が絶えない部分でしょう。
今回は効能に関する話題は置いておくとして、国民生活センターが次のような調査結果を公表したのでご紹介します。
キャンドルブッシュ配合の健康茶は過剰摂取すると危険かもしれない
「キャンドルブッシュ」は便秘改善やお腹ぽっこり系の悩みに効果があるかもしれないという商品で使われる植物です。
この植物成分を含むとナゼ危険なのか、国民生活センターの発表内容は難しく書いてあるのでポイントを押さえて分かりやすくご紹介します。
キャンドルブッシュについて
まず「キャンドルブッシュ」に関して見て行きましょう。
別名「ハネセンナ」や「ゴールデンキャンドル」「カッシア・アラタ」と呼ばれるマメ科の植物。
楕円形の葉と黄色い花が特徴で、果実は暗褐色のる豆果になります。
「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質」に区分される植物で、簡単に言えば薬事法で規制されていないため食品に使用できる植物である、ということです。
「キャンドルブッシュ」は何が危険なのか?
「キャンドルブッシュ」を使用した健康茶は、「お腹がスッキリする」「デトックス効果がある」など女性が悩んでいる症状を助けるような宣伝方法がほとんどです。
遠回しに効果効能らしきものをアピールする理由は、便秘解消・改善、もしくはダイエットサポートのメイン成分と目されるセンノシドを含んでいるためです。
健康食品として販売されているとそのように思われがちですが、センノシドは下剤の作用を持っています。
センノシドは下剤として用いられる成分ですが、それはセンナという植物が用いられます。
センナは「専ら医薬品として使用される成分本質」に区分される、薬事法上で規制を受ける植物です。
そしてキャンドルブッシュも実はセンナと同族の植物。
医薬品で使われるセンノシドを含んだセンナと同じ成分を含んだ植物、それがキャンドルブッシュになります。
それはつまり、キャンドルブッシュを使った健康茶はそれなりの量を摂取すると下剤と同様の働きをすることを意味しています。
同じ効果を持つキャンドルブッシュとセンナですが、法律上では扱いが違うということですね。
キャンドルブッシュ
薬事法で規制されない。食品への使用はOK
センナ
薬事法で規制される。食品への使用はNG
「効果があり過ぎる!」と国民生活センターが調査
今回、国民生活センターが「キャンドルブッシュ」を含む健康茶に関して調査に乗り出した理由は、「飲んだが効果があり過ぎる」という相談が寄せられた為です。
インターネットやドラッグストアで購入可能な健康茶の中から次の原材料が上位に表示されている15銘柄を選択。
- キャンドルブッシュ
- ゴールデンキャンドル
- ハネセンナ
- カッシア・アラタ
これらは全て同じ植物の別名です。
テストはカップ1杯分のお茶を作って行われました。
調査・テストの結果
国民生活センターが調査した結果が最も気になるところでしょう。
結論はこうです。
テストした15銘柄すべてからセンノシドを検出
うち半数ほどはカップ2~3杯に相当する量を飲むと、医薬品と同じくらいのセンノシド(大体12mgほど)を摂取する可能性がある
さらに、下剤や下剤に用いられる生薬に含まれる成分も検出されています。
- エモジン
- アロエエモジン
- バルバロイン
- 難消化性デキストリン
このように「ポッコリお腹解消」「お腹スッキリ」などを掲げた健康茶には、お腹を緩くするという効果の意味では下剤と同等の性能であると言えます。
テストから分かる注意点
今回の国民生活センターの調査から、特に注意すべき点は摂取量にあることは明らかです。
これは、単にセンノシドの含有量についてだけではありません。
多くの商品には、摂取量の目安や過剰摂取による下痢の可能性について明示されていない点も重要です。
摂取量も含めた「キャンドルブッシュ」系の健康茶の取り扱いに関する注意点を報告書は次のように示しています。
原材料を確認
まず重要なのは健康茶に含まれる原材料にキャンドルブッシュが存在しているのかを確認することです。
以下の名前が原材料として記載されているのかを確認しましょう。
- キャンドルブッシュ
- ゴールデンキャンドル
- ゴールドブッシュ
- カッシア・アラタ
- カッシアアラタ
- ハネセンナ
これらは全て同じ植物です。
どれかひとつでも名前が記載されているのであれば、下痢を誘発する可能性があるセンノシドがお茶に含まれていると考えて良いでしょう。
過剰な摂取を避ける
キャンドルブッシュはセンノシドを含む植物です。
これは下剤として使われるセナンも同じ成分を含んでおり、効果としてはどちらも同じです。
過剰摂取は下剤を必要以上に取り入れるのと同じ意味になってしまうので目安となる摂取量を守って摂取も短期間にすべきと報告されています。
ただし、キャンドルブッシュは薬事法で制限されておらず食品として扱われるため、健康茶に含まれるセンノシド量が統一されていません。
商品によってバラつきがあるため、摂取量の目安は商品の説明に次第です。
しかし、商品によっては摂取量の目安が記載されていないものがあることは今回のテスト結果でも示されています。
そのため、使用する場合は短期間の摂取に留めるのが望ましいと今回のテスト結果をもとに注意を促しています。
医薬品ではないが同等のモノと意識する
キャンドルブッシュは薬事法では規制されない原材料であるため下剤のようにお腹をゆるくする効果が示されず、ダイエットサポートやデトックス食品として扱われます。
気を付けるべきは、事実上は下剤(セナン)で使われる成分と同じものが含まれているにも関わらず、
- セナンとは別の植物が使われている
- 下剤じゃない
という表示がアピールポイントになってしまう点になります。
明確に便秘に効く(下痢を誘発する)と示せば薬事法上問題があるので各社ともに「お腹スッキリ」「デトックス」「ダイエットサポート」を全面にプッシュしてきます。
キャンドルブッシュ系の健康茶とセナンを使った下剤は成分が同じでも薬事法上の扱いが違うので販売においてはあくまで関連が無いモノという扱いにされてしまうと、気づかずにお茶を過剰摂取する可能性があります。
しっかりと原材料を確認して、キャンドルブッシュ系の植物名が記載されていれば過剰摂取は避けましょう。
もし、過剰摂取により便秘などの症状が重い場合は速やかに医療機関を受診すべきと報告されています。
注意点のまとめ
以上が、今回国民生活センターが報告した「キャンドルブッシュ」を使用した健康茶の調査の結果です。
まとめると次のようになります。
- 下剤に含まれるセンノシドを持つ
- 健康食品扱いなので下剤効果がわかりにくい
- 気付かず過剰摂取する可能性がある
- 原材料をチェックする
- 使用は短期間、摂取量に注意して行う
特に注意すべきは摂取量です。
購入する際は摂取量をパッケージに明示している商品が良いので、しっかりと商品説明を確認して購入しましょう。
国民生活センターの報告資料
以下のURLにあるpdfファイルが今回の記事を作成する際に参照した資料です。
当記事は、なるべく分かりやすくするために内容を簡略化しています。
より詳細な報告をチェックしたい方はpdfファイルの報告書をご参照ください。
【参照資料】⇒ キャンドルブッシュを含む健康茶―下剤成分(センノシド)を含むため過剰摂取に注意― (www.kokusen.go.jp/pdf/n-20140123_1.pdf)