脂肪酸の説明はとても解りにくいですか?
ここを訪れた人は、たぶん分かりやすい脂肪酸の解説を求めてきたのでしょう。
飽和・不飽和・短鎖・中鎖・調査・オメガ3・6・9などなど。
それにシスやトランス。
複雑すぎて意味がわからないですね。
この記事では、「あぶら」と脂肪酸を中心に、それに関連する情報を掲載しています。
まったく知識のない人に向けて、できるだけ余計な情報を省いて簡単に開設できるように心がけています。
脂肪酸について知りたい!という人の助けになれば幸いですね。
「あぶら」と脂肪酸
油と脂
あぶらには2つの漢字が使われます。
「油」と「脂」です。
2つは、常温で液体なのか固体なのかという違いがあります。
- 油は常温で液体(Oil)
- 脂は常温で固体(Fat)
油脂と構成成分
「油と脂」をまとめて油脂(ゆし)と呼びます。
固体・液体は関係なく「あぶら」のことを指しているのです。
油脂の構成成分は脂肪酸とグリセリン
つの脂肪酸とひとつのグリセリンが繋がった形をしていてトリアシルグリセロールと呼ばれます。
さらに油脂・脂肪酸・グリセリンなどを総称したのが脂質です。
ここで脂質と油脂に関する専門的な分類を気にしても毎日の美容には役に立たないので、簡単に説明しておきましょう。
- 脂質はとても広い意味を含んだ「あぶら」の呼び方
- 油脂はもう少し限定した「あぶら」の呼び方
このくらいで良いと思いますよ。
脂肪酸の種類
難しくならないように簡単に説明します。
脂肪酸は図のように鎖状に繋がった「炭素(C)」と「水素(H)」&「酸素(O)」がくっ付いて出来ています。
わざわざ脂肪酸の構成を説明したのは脂肪酸の種類に関係するため。
様々な種類が存在する脂肪酸ですが、その種類を決定するのは炭素の繋がり方(数やパターン)なのです。
「炭素の数」で分類
中鎖脂肪酸という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この「鎖」は炭素の繋がりを指していて、炭素の数で「短鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「長鎖脂肪酸」と分類されます。
- 短鎖脂肪酸
- 炭素数:~6
脂肪酸:酢酸・プロピオン酸・酪酸・カプロン酸
働き:悪玉菌の繁殖を抑える、腸管から細菌が入り込むのを防ぐ - 中鎖脂肪酸
- 炭素数:8~12
脂肪酸:カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸
働き:消化後に他の過程を飛ばして肝臓に運ばれるのでエネルギーになりやすく体脂肪にはなりにくい - 長鎖脂肪酸
- 炭素数:14~
脂肪酸:ミリスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・α-リノレン酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸・EPA・DHA
働き:多くの食品に含まれる脂肪酸。溶ける温度が高いのでカラダに蓄積されやすい。
大体±2の範囲で収まりますが、最も多い定義数は上記でした。
「元素の結合方法」で分類
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は常温で固形、動物性に見られる脂肪酸です。
人間の活動エネルギーとして重要な存在ですが、摂取量の過不足は健康リスクが高いと考えられています。
不足すれば脳出血のリスク、過剰だと肥満・糖尿病・血管の病気などのリスクが懸念されます。
元素を見ると炭素(C)&水素(H)のみで繋がったもの。
化学的には安定しており、酸化しにくい構造という特徴があります。
- 酪酸
- バター
- ステアリン酸
- 牛脂・豚脂
- ミリスチン酸
- ヤシ油・パーム油
- パルミチン酸
- バター・牛脂・豚脂
- ラウリン酸
- ヤシ油・ココナッツ油
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は常温で液体、植物性に見られる脂肪酸です。
元素を見ると、炭素(C)と炭素(C)が繋がる二重結合を持つという特徴が見られます。
化学的には水素が足らずに不安定と言われます。
不飽和脂肪酸は、結合する水素の向きでシス型とトランス型が存在。
二重結合の炭素と結びつく水素の向きで分類される不飽和脂肪酸の種類。
水素が同じ方向ならシス型、異なる方向ならトランス型です。
特にトランス型の脂肪酸を持つ不飽和脂肪酸はトランス脂肪酸と呼ばれ、健康情報で頻繁に取り上げられます。
トランス脂肪酸の過剰摂取は悪玉コレステロールを増やすと考えられているためです。
さらに炭素の二重結合の数で一価不飽和脂肪酸(二重結合が1つ)と多価不飽和脂肪酸(二重結合が2つ以上)に分類できます。
一価不飽和脂肪酸
炭素の二重結合が1つなら一価不飽和脂肪酸と呼ばれます。
後述のオメガ9脂肪酸は「一価不飽和脂肪酸」に分類されます。
- オレイン酸
- オリーブ油・菜種油・牛・豚など
多価不飽和脂肪酸
炭素の二重結合が2つ以上なら多価不飽和脂肪酸と呼ばれます。
化学的に不安定な二重結合が複数存在するため、酸化しやすい脂肪酸です。
後述のオメガ3脂肪酸&オメガ6脂肪酸は「多価不飽和脂肪酸」に分類されます。
- リノール酸
- べに花油・ヒマワリ油・綿実油・コーン油・大豆油・植物油
- γ-リノレン酸
- 母乳
- アラキドン酸
- レバー・卵白・サザエ
- α-リノレン酸
- シソ油・エゴマ油・アマニ油
- EPA(エイコサペンタエン酸)
- キンキ・さんま・マイワシ・ハマチ・ブリ・うなぎ・まぐろ
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- さんま・まぐろ・はまち・ぶり・ニジマス・ウナギ
「結合の位置」で分類
オメガ〇脂肪酸は健康情報番組で頻繁に聞くようになった単語です。
このオメガ〇というのは、不飽和脂肪酸の二重結合が何番目の炭素で起こるのかで決まります。
メチル末端(左)から数えて二重結合が
- 3番目に見られた場合はオメガ3(ω3 / n-3)脂肪酸
- 6番目に見られた場合はオメガ6(ω6 / n-6)脂肪酸
- 9番目に見られた場合はオメガ9(ω9 / n-9)脂肪酸
という感じです。
オメガ3脂肪酸の特徴
美容や健康への良い影響が知られているのがオメガ3脂肪酸。
体内で作りことができない必須脂肪酸に該当します。
オメガ3脂肪酸は、中性脂肪を下げる、血液をサラサラにするなど血液へのプラスの働きが特徴です。
また不足すると皮膚炎を起こす可能性もあるとされています。
α-リノレン酸やEPA、DHAなどがオメガ3脂肪酸に該当します。
オメガ6脂肪酸の特徴
身近な植物オイルに多く見られるのがオメガ6脂肪酸。
オメガ3同様に体内で作ることができない必須脂肪酸です。
オメガ6脂肪酸には、コレステロール値を下げると言われています。
不足すれば、カラダの成長や肌トラブルを招く可能性が考えられています。
リノール酸やアラキドン酸などがオメガ6脂肪酸に該当します。
オメガ9脂肪酸の特徴
オリーブオイルに代表されるのがオメガ9脂肪酸。
体内で作ることができる脂肪酸です。
オメガ9脂肪酸は、血液中の善玉コレステロールを維持したまま、悪玉コレステロールだけを減らすことが可能だと言われています。
酸化しにくい特徴もあり、抗酸化オイル&健康オイルとしてテレビなどのメディアで頻繁に取り上げられます。
オレイン酸がオメガ9脂肪酸に該当します。