テレビで取り上げられ美肌づくりやアンチエイジングといった美容効果が注目を集める体内の物質
ヒートショックプロテイン、略してHSPとも呼ばれます。
ヒートショックプロテインを増やすことが美容への近道、と言っても言い過ぎではないでしょう。
HSPっていったい何なの?
という美容に関心のある女性に向けて、ヒートショックプロテインを分かりやすく解説していきます。
その前に、筋肉・血管・肌・髪など人間のカラダのほとんだがタンパク質をベースにした細胞や組織で出来ているのを覚えておきましょう。
美しい肌・美しい髪・健康的なカラダは良質なタンパク質で成り立っているのです。
ヒートショックプロテイン(HSP)とは
ヒートショックプロテイン(HSP)はタンパク質のことです。
もちろん普通のタンパク質ではなく、ストレスを加えると細胞内で増える特殊なタンパク質になります。
熱で活性化が確認されたことでヒートショックと名付けられたようです。
が、その後の研究により熱だけではなく『物理的なストレスや心理的ストレス、薬品などの化学的ストレス』でもHSPの増加が確認されています。
ヒートショックプロテインが注目される理由は細胞を修復する機能と、それを利用した美容効果でしょう。
肌にプラスな効果が期待されるのでメディアでも頻繁に取り上げられています。
ヒートショックプロテイン(HSP)の働き
HSP(ヒートショックプロテイン)の働きを一言で表すなこうなります。
もう少し詳しく見てみましょう。
HSPは大きくわけて2つのケースで働いています。
1つは「熱を含めたストレスが掛かったケース」、もう1つは「ストレスの掛からない平常時のケース」です。
ストレス時のHSP
- 傷ついたタンパク質の修復
- ストレスから細胞を守る
- カラダの免疫力をアップする
平常時のHSP
- 新しいタンパク質を作る
- 新しいタンパク質を運ぶ
- 古い不要なタンパク質の分解
このように、タンパク質の誕生から~途中のダメージ修復~タンパク質の終わりまでの流れに関わっているのがヒートショックプロテインです。
ヒートショックプロテイン(HSP)の種類
ヒートショックプロテイン(HSP)は、分子の量で様々な種類が存在します。
HSP60とかHSP70という数字付きのHSPを目にしたことがありますか?
この数字が分子を表しています。
HSP60なら分子量が60kDa(= 60000Da)
という意味です。
数値が違えば、それはヒートショックプロテイン(HSP)の種類が異なることを意味します。
これだけを覚えておきましょう。
HSPの中でも特に美容への影響が強い種類が下の6つです。
- HSP32
- HSP47
- HSP60
- HSP70
- HSP90
- HSP104
HSPの種類ごとの効果は次の項目をご覧ください。
ヒートショックプロテイン(HSP)の美容効果
HSPの効果として大まかに挙げられるのが
- 自己修復による美肌
- ストレスから肌を守る
- アンチエイジング
- 免疫力アップで病気を防ぐ
- 運動能力の向上
- 疲労回復力のアップ
といったものです。
この記事では各種ヒートショックプロテイン(HSP)の美容効果にターゲットを絞ってご紹介します。
テレビや雑誌などで注目を集めるのはHSP47とHSP70です。
HSP47:コラーゲンづくり
ヒートショックプロテインで美容に関わる要素が強いのがHSP47
ぷるぷると弾力のある美肌に欠かせないコラーゲンを体内で作り出すために働きかけると言われています。
コラーゲンは肌の細胞と細胞をつなぐ役割を持つタンパク質。
肌にハリを与えてシワやたるみ、肌荒れを防ぐ重要な美肌成分です。
HSP70:美肌&美白
ヒートショックプロテインの代表と言えるのがHSP70
肌の細胞が受けたダメージを修復して元に戻す働きを持つとされています。
紫外線で傷ついた肌の細胞はメラニン色素が残ってシミになりますが、肌細胞のダメージを修復することでシミが残りにくい肌となります。
また、肌細胞の修復力で肌のコラーゲンを作り出すチカラを維持する働きもあり、これがシワの減少に繋がるとされています。
HSP70は美肌と美白の両方に期待されるヒートショックプロテインなのです。
HSP32:アンチエイジング
HSP32はアンチエイジングのタンパク質
カラダを錆びさせ老化の原因とも言われる活性酸素を無害化することで、肌やカラダに抗酸化の効果が期待されます。
当然ですがカラダの若さが維持できるなら肌の見た目年齢にも大きな違いが出てきます。
HSP32も美容にはとても重要なヒートショックプロテインです。
HSP60:代謝UP
カラダを動かすエネルギー産生や維持といった代謝機能に関わるのがHSP60
ミトコンドリアへタンパク質を送ることでカラダを動かすエネルギーを生み出す働きに関わります。
代謝の促進に繋がるということはHSPがダイエットにもプラスの影響を持つと言えるでしょう。
HSP90:ホルモン活性化
体内のホルモンを活性化させると言われるHSP90
ホルモンはカラダの機能を正常に維持するために全身を循環する物質
ホルモンを活発にすることで顔のニキビ・吹き出物といった炎症による肌荒れを防ぐ可能性を含んでいます。
ヒートショックプロテインの増やし方
ここまでヒートショックプロテイン(HSP)の美容効果が期待できるなら、知りたくなるのはHSPの増やし方です。
記事の始めに紹介したとおりHSPは熱を含めた物理的なストレスや心理的なストレス、薬品などの化学的ストレスで増えるという特徴を持っています。
HSPの増やし方として現実的なのは、カラダに熱や物理的なストレスを与える、つまり入浴やスポーツです。
HSPを増やす入浴法
お風呂はカラダに熱を与えるという条件を満たすHSPにとって素晴らしい文化と言えます。
HSPを増やすお風呂の入り方は普段の入浴と大きな違いはありません。
ポイントとなるのはお風呂の温度と入浴時間、そして入浴後の保温です。
この3点に注意しましょう。
お風呂の温度と入浴時間
40℃ | 20分 |
41℃ | 15分 |
42℃ | 10分 |
細胞は43℃以上の熱が加わると死滅して機能を失うためお湯は42度までが適切。
体温で見ると汗がじわじわと流れ出てくる38℃くらいが目安です。
入浴後は保温をしっかり
入浴後は10~15分くらいカラダを保温します。
しっかりと水分を拭き取り体温が下がらないように素早く服を身に付けます。
夏なら冷房を使わず、冬なら暖房を使った暖かい部屋でカラダを保温しましょう。
保温中の水分補給はカラダが冷えないように常温かホットドリンク。
冷たい飲み物は保温が終わった後にしましょう。
入浴剤
炭酸・無機物成分の入浴剤を使うとHSP増加に必要な入浴時間が短縮され40℃で15分となります
その他、注意点・ポイント
体力に自信がない場合や高齢者は半身浴がオススメです。
無理はしないように心がけましょう。
半身浴の場合は、肩を冷やさないようにお風呂のフタして顔だけを出すといった工夫も効果的です。
その他HSP入浴についてはHSP研究者である伊藤要子さんの公式サイトがとても参考になるのでオススメです。
HSP入浴のオススメサイト
ヒートショックプロテイン入浴法 – HSP研究者 伊藤要子のホームページです
HSPオススメ書籍
HSPは運動&筋トレで増える?
運動でもヒートショックプロテイン(HSP)が増加することは、伊藤要子さんの公式サイト、及び出演したNHK番組「ためしてガッテン」で取り上げられています。
実際にどのような運動でHSPが増えると言われているのか、まとめました。
HSPを増やすオススメの運動
ヒートショックプロテインを増やすためには「きつい」と思うくらいの強度の運動が必要です。
運動に適度な強度が無いとHSPが増えるストレス
- 息が切れる
- 汗をかく
- カラダに負荷をかける
が満たせないのです。
スロージョギングなど疲れない運動ではHSPが増えないことが指摘されているので注意しましょう。
筋トレでHSPは増える?
HSPが増える筋トレ情報は少ないもののHSP増加の基本的なポイントは運動による熱ストレス・低酸素ストレス・体への負担です。
この条件をを満たす内容であれば筋トレでも増える可能性が高いと考えられます。
スロージョギングではHSPが増えないように、負荷の無い軽い筋トレでは増加が見込めないので注意しましょう。
ヒートショックプロテインを増やす化粧品
HSPを増やす可能性がある化粧品として知られるのが「ナールスゲン」
京都大学発の美容成分で、コラーゲンづくりに関与するHSP47の働き活性化させるエイジングケアサポートに有効とされています。
そんなナールスゲンを配合した化粧品をご紹介します。
ひとつは「ナールスネオ」
もうひとつは京都発の美容クリーム「和えか」
詳しくは別の記事で取り上げているのでそちらをご覧ください。