麻はアサ科アサ属に属する植物で属に大麻草と呼ばれるものです。
大麻と聞けば真っ先に違法薬物が思い出されますが、それは麻の一部。
麻は繊維質が布や紙、実(種)は食用や生薬、油など生活に根付いた利用もされています。
今回取り上げるのは、実(=種子)の部分です。
スーパフードと呼ばれるくらい優秀な栄養素を豊富に配合。
美容や健康への効果が見込まれており、注目の食材です。
今回の記事では、麻の実が持つ成分や効果がどのようなものなのかをご紹介していきます。
麻の実は身近な食材
麻は実の部分(種子)は一般的な食材として利用されています。
身近なものでは七味唐辛子。
7つの材料には唐辛子や山椒、黒ゴマなどと共に麻の実が使われているのです。
大麻の栽培は違法ですが、市販されている麻の実(種)は栽培の許可を受けた人々が厳選な管理の元で発芽防止処理を施しています。
栄養価に優れた立派なスーパーフードなのです。
近年はその優れた栄養が美容や健康にも良いとされ、ヘンプシードとしてメディアで紹介されることもあります。
麻の実が持つ効果とは?
麻の実には、良質なたんぱく質、必須アミノ酸、ミネラル、さらにオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪がバランスよく含まれています。
そのため、女性にはウレシイ効果をたくさん持っているのです。
特に注目したいの効果は次の3つ。
美肌を作る良質なタンパク質&アミノ酸
アミノ酸はタンパク質の素になる成分。
カラダを構成するのは20種のアミノ酸で、そのうち体内で合成できない9つを必須アミノ酸と呼びます。
麻の実は必須アミノ酸を全て含んでおり、さらにそれ以外の11種も豊富です。
加えて麻の実にはエデスチンと呼ばれる消化・吸収に優れたタンパク質を有しています。
タンパク質は、人間のカラダを作るためには必須の栄養。
筋肉・血液・骨・皮膚・髪の毛・内臓などあらゆる面で活用されます。
採りにくいミネラルもカバー
アミノ酸やタンパク質と同様にカラダを作るために必要な栄養がミネラルです。
鉄・亜鉛・マグネシウム・カルシウムといった成分のことですが、これらは血液や骨、皮膚を作るためにサポートをしてくれます。
現代人は食生活の変化でミネラルが不足しがちですが、麻の実にはミネラルが豊富に含まれています。
タンパク質・アミノ酸・ミネラル。
健康的で美しく若々しい肌や髪の毛を作るためには、麻の実はピッタリの食材と言えます。
不溶性食物繊維でお腹スッキリ!
食物繊維をたくさん摂取すると便秘に良いというのは頻繁に耳にするでしょう。
食物繊維には水溶性と不溶性が存在していますが、不溶性は腸の収縮運動を活性化し排泄を促す働きがあります。
麻の実に含まれる食物繊維がこの不溶性食物繊維なのです。
便秘解消の助けになってくれる可能性は非常に高いと言えます。
また、腸内環境がキレイになると栄養が十分に吸収されます。
これは、カラダの各所に栄養が行き渡ることを意味しており、結果的に美肌を作るための必要な成分を届けてくれることに繋がります。
話題の脂肪酸が豊富
必須アミノ酸と同様に脂肪酸にも必須が存在。
脂肪酸のうち、必須脂肪酸とされているのはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸です。
現代の食生活は、オメガ3脂肪酸が不足。
逆にオメガ6脂肪酸は過剰摂取と言われています。
麻の実(正確には抽出した「麻の実油」)は、この2つの必須脂肪酸を「3(オメガ3):1(オメガ6)」という理想的なバランスで配合。
不足しがちなオメガ3脂肪酸をスプーン1杯ほどで賄うことが可能です。
オメガ3脂肪酸には、血液をサラサラにして血行を改善。
腸内環境も改善され、老廃物の排出や代謝促進が期待されています。
また、オメガ3脂肪酸を含む油を摂取することで肌荒れにも有効という話もメディアで話題となりました。
トランス脂肪酸やコレステロールといった肥満や健康不安で避けられがちな成分はゼロ。
麻の実由来の油は、そのヘルシーさからも注目なのです。
「麻の実」の食べ方
麻の実をそのまま調理に用いる方法もありますが、特にメジャーな方法は「麻の実ナッツ」「麻の実パウダー」「麻の実油」。
これらは麻の実を使った加工品で、麻の実の持ち優良で豊富な栄養素を生かしつつ目的ごとに特化させたものとなっています。
麻の実ナッツ
麻の実から外皮を剥いたもの。
そのまま食べる、料理に使うなど万能な食材。
つまり、ほとんど麻の実そのまま。
麻の実パウダー
ヘンプパウダー、ヘンププロテインなどとも呼ばれる。
麻の実から脂肪分を取り除いて粉末状に加工したもの。
ドリンクやデザートと相性が良い。
ナッツに比べると劣るものの必須脂肪酸も含む。
麻の実油
麻の実をコールドプレスして抽出したオイル。
スプーン1杯で1日に必要なオメガ3脂肪酸を賄える。
調理用だけでなく、そのまま飲んでもOK