ピーリング(peeling)という単語は、皮をむく・はぎ取るという英語のpeelから派生した造語と考えられます。
ピーリングというと一般的にはケミカルピーリングのことを指します。
ケミカルピーリングは、古い角質を取り除く方法です。
ピーラーだと調理器具の皮むき器になり、動作としては同じですが、用途が根本的に異なります。
ピール | (皮を)むく、剝ぎ取る |
ピーラー | 皮むき器(調理器具) |
ピーリング | 角質除去(ケミカルピーリング) |
この記事ではピーリングに関して取り扱います。
ピーリングとは何なのか?
目的や方法を分かりやすく&詳しくご紹介します。
はじめに「肌のターンオーバー」について
ピーリングについてご紹介する前に、肌細胞の再生について触れておきましょう。
肌はターンオーバーと呼ばれる28日周期の新陳代謝が起きています。
このように肌の奥で生まれた新しい肌の細胞が14日間で角質層へ到達、さらに14日かけて新しい肌細胞が古い肌細胞を押し出して入れ替わります。
28日周期で肌細胞は常に新しくなる
これがターンオーバー(新陳代謝)です。
肌が美しく若々しい女性は、このターンオーバーが正常に働いているためと考えられています。
逆に実年齢より肌が老化している、シミやくすみ、毛穴の汚れが目立つなど何かしらの肌トラブルを抱えている女性はターンオーバーのサイクルに乱れが生じているとも言えでしょう。
ピーリングとは?
ピーリングは肌の治療法、もしくは美容法。
冒頭の通り、肌の古い角質を除去して健康的に美しく保つことを目的としています。
ピーリングは大きく2つに分類できます。
ひとつは医療機関で受ける治療目的のピーリング。
もうひとつは、自宅でできるピーリング。
固有の名称はないようですが、ここでは仮にホームケアピーリングと呼ぶことにします。
ケミカル・ピーリング
ケミカルピーリングは、にきびやシミといった皮膚疾患の改善を目的とする医療行為に該当するものです。
グリコール酸やサリチル酸といったフルーツ酸(AHA / α-ヒドロキシ酸)を肌に塗布して表面の古い角質をゆっくりと取り除き肌のターンオーバーを促進します。
使用する薬剤に専門性が要求されるため、病院などの専門機関で行われる方法となります。
ホームケア・ピーリング
便宜上ホームケアピーリングと呼んでいますが、要するセルフケアで行うピーリングです。
市販のピーリングジェルやピーリング石鹸を使って肌の不要な角質を取り除くことを目的とします。
基本的に肌への負担が少なく安全性の高い成分が使われています。
ピーリングの効果って?
ピーリングは肌の古い角質を除去して内側の新しい肌細胞を活性化させることが目的です。
肌のターンオーバー(新陳代謝)が促進されることで、様々な肌への恩恵が期待されます。
自宅でできるピーリング
この記事では、ピーリングのうち自宅で可能はホームケア・ピーリングについて取り扱います。
ホームケア用のピーリング剤は
- フルーツ酸(グリコール酸やリンゴ酸、乳酸など)やサリチル酸を低濃度で用いたもの
- 「酸」以外の安全な角質除去成分を用いたもの
- フルーツ酸と他成分のミックス
このような大まかな分類が出来ると考えます。
フルーツ酸はクリニックでも使われますが、高濃度(30%以上)低pH(2以下)だとリスクがアップすると言われています。
そのため、いわゆるエステサロンや市販のピーリング剤で使われるものは低濃度で安全性が重視された仕様となっているようです。
ピーリングに使われる成分
ピーリング剤で使われる角質を剥がす成分は、次の2つが主流。
メジャーなのはフルーツ酸の方になると思われます。
フルーツ酸とは?
AHA(アルファヒドロキシ酸)のこと。
果物やサトウキビ発酵乳などに含まれるので、通称がフルーツ酸。
ピーリングの成分と言えばフルーツ酸が第一に挙げられるほど知られた存在です。
具体例を挙げれば、グリコール酸・クエン酸・リンゴ酸・酒石酸・乳酸などがフルーツ酸に該当します。
サリチル酸とは?
柳の木に由来する成分で、フルーツ酸と同じくケミカルピーリングで古い角質を取り除く働きを持ちます。
アクネ菌の繁殖防止作用もあるとされているためニキビのケア製品にも使われている成分です。
従来はエタノールに溶けているため副作用があったものの、「サリチル酸マクロゴール」ではそれら副作用の懸念が解消されておりピーリング効果も高くなっているとされています。
ピーリング剤の種類
市販のピーリング剤は、ジェルタイプが主流。
このほかに、石鹸タイプやローションタイプが多少存在していますが、ジェル以外のピーリング剤の方が珍しいと言っても差し支えがないかもしれません。
使用方法は各ピーリング剤で異なりますが、大まかには
といった流れです。
ピーリングジェル
ピーリング石鹸
ピーリングローション
液体タイプのピーリング剤でグリコール酸が主流。
種類はとても少なく人気製品も提示できないレベル。
ピーリング剤というよりは、美容液や化粧水など他のコスメにピーリング効果が含まれたようなイメージの方が正しいかもしれません。